2022年10月、障がい者の雇用に積極的に取り組んでいる企業として、（株）HK企画が「障がい者雇用優良事業所」に選ばれました。障がい者雇用の取り組みについて、きっかけや雇用後の会社の変化などについて原口氏にお聞きしました。

2013年に創業しました。主に基礎調査業務、道路防災点検業務、橋梁点検業務を行っています。それ以外にも鳥市販売グループ、ニコニコレンタカー、ＵＱモバイルショップなどを運営しています。

当社は中途採用が主だったのですが、会社の将来を考えた時に新卒を採用していかないといけないと感じていました。高校に行き求人をしたのですが、反応がありませんでした。ハローワークに相談したところ、障がい者雇用の紹介を頂きました。

当時は「ハードルが高いかな」と思いましたが、その方に会ってみることにしました。身体に障がいのある方でしたが、会ってみるとすごく感じの良い方だったので、雇用することにしました。ご本人は仕事に対してやる気があったのですが、相手のペースに合わせてあげることができずにだんだん出社ができなくなり、退職してしまいました。そこで自社の理念に沿った環境が整っていないことに気づきました。

当社の企業理念に「『人の為に』を念頭に置き、愛あふれる会社を目指します。」とあります。理念に沿って環境を整えれば障がいのある方を雇用できるのではないかと考えました。

日田支援学校や施設に見学に行ったり、父母会に参加したりして、障がいのある方について知ることで、だんだんと障がいを個性と捉えることができるようになりました。再び障がい者雇用にチャレンジして、現在では精神障害者3名、身体障害者1名を雇用しています。パソコンの入力業務など、他の社員と同じ仕事をしています。

雇用するにあたって一番身近で接するのは社員です。最初は「障がいのある方とどう接していいかわからない」という社員もいました。まずは企業理念を説明し社員の理解を得ました。中には長時間働くことが苦手な方もいますが、疲れたと感じたら中抜けして遠慮なく休憩を取れるような体制をとっています。

これは障がいのある方に限ったことではなく、他の社員も子どもの急な病気などの時には休める社風ができてきました。

　障がいのある方を受け入れることで、誰もが働きやすい環境をつくることができました。様々なバックグランドを持つ方が働ける会社ということで、高校などから信頼を得ることができ、新卒採用もできるようになりました。理念に沿った経営を行うことで、障がい者雇用、新卒採用ができ、多様性を認める社風ができています。