活動報告
ACTIVITY-REPORT

第28回経営フォーラムを開催しました

基調講演と4つの分科会から学ぶ

11月15日(火)第28回経営フォーラムをレンブラントホテル大分とWEB併用で開催しました。

今回は「大分未来型経営~古き良きものを未来へとつなぐ無限の進化~」をテーマに開催し、大分県内外から181名が参加しました。

菅原直美実行委員長、塚崎伸一代表理事挨拶の後、安部征吾氏(大分デバイステクノロジー(株)代表取締役)が「経営指針書こそ経営の1丁目1番地~社長の仕事は経営指針書の浸透なり!~」をテーマに基調講演を行いました。

基調講演を行う安部征吾氏

安部氏は2001年に同友会に入会し、2005年から経営指針書を作成するようになりました。社員教育年間計画表の作成、教育の体系化、共育ちの実践などを行ってきました。また、新卒採用を継続していましたが、2012年から新卒の応募が激減。危機感を感じ、よい会社にしていこうと社内環境の整備を行う中で、ユースエール認定を取得することができ、定着率があがりました。2017年からは広報担当を設置し、戦略的な広報活動に取り組んでいます。

「社長の仕事とは経営指針書の作成とその浸透であり、会社の方針、戦略をきちんと定めて具体的に行動計画に落とし込まないといけません」と経営指針の成文化と実践の大切さを訴えました。

基調講演終了後、4つのテーマに分かれて分科会を行いました。

第1分科会(採用と共育) 「社員とともに成長する会社をめざす」 ~不況の波もみんなで乗り越える!~ (株)ブンカ巧芸社 代表取締役社長 峯元信明氏(鹿児島同友会副代表理事)

(株)ブンカ巧芸社 代表取締役社長 峯元信明氏

峯元氏は2004年に入社。リーマンショック時に売上が低迷。離職率も高く、言われたことをするだけの社風を変えようと、経営指針を成文化し全社一丸体制を目指しました。働きやすい企業風土の構築、未来ビジョンの作成、委員会活動を通じて、「自分達の会社は自分達で良くする」という考え方を浸透させていきました。

 「社員の成長があって会社が成長する」の考えのもと、社員がチャレンジする機会を多く作るようにしました。また、人生の選択肢を地域に広げるため、新卒採用にも取り組んでいます。採用は景気の良し悪しで決めるのではなく、中期ビジョンに沿って採用しています。「親が自分の子どもに勧めたい職場づくりを目指しています」と報告しました。

第2分科会(障がい者雇用) 「誰もが働きやすい会社を目指して」 ~世界に一つだけの花~ (有)奥進システム 代表取締役 奥脇学氏(大阪同友会 障害者部会副部長)

(有)奥進システム 代表取締役 奥脇学氏

奥脇氏は、職場の中で幸せを感じてもらうため、みんなが働きやすい職場づくりと同時にきちんと利益が出せる会社を目指しています。そのために①時間と場所にしばられない、②それぞれの働き方を認め合う、ことを大切にしています。2006年に身体障がいのある方を雇用したことをきっかけに、現在9名の障がい者を雇用しています。

 働きやすい職場にするめに、仕組みづくりと個別対応を行っています。仕組みづくりは会社全体をよくするための仕掛けであり、就業規則などがそれにあたります。個別対応とは、社員に対してどのように仕組みを活用するかを考えます。それぞれの特性や希望に応じて行っています。

 「障がい者雇用は特別な取り組みではありません。誰もが働きやすい職場づくりと、一緒に考える仕組みづくりなど、少し丁寧なマネジメントが必要なだけです。とても幸せと思える社会づくりの実現を目指し続けていきたいと考えています」と報告しました。

第3分科会(人を生かす経営)「コロナを社員達とどう乗り越え、世の中に最高のhappy!をクリエイトするか」 ~不離一体の経営~ (株)イベント21 代表取締役 中野愛一郎氏(奈良同友会副代表理事)

(株)イベント21 代表取締役 中野愛一郎氏

コロナ禍でイベントの自粛の影響で売上が激減。あらためて「何のために経営しているか」を考え、お金のために経営しているのではなく、「You happy,We happy」という理念実現のために経営していると気づき、三方よしのhappyと物心両面のhappyを今と未来に増やしていこうと決意しました。

 コロナ禍でも経営指針発表会を実施し、人とのコミュニケーションを自分達が守っていこうと誓いました。このコロナの危機を受けて、ティール組織を目指しました。ティール組織とは上司のいない組織であり、社員が主体的に自分事として仕事を進める組織のことです。

 全社一丸でコロナに打ち勝つために、社員の笑顔が採用力の強化、最高のサービス力で業績向上、やりたいことが出来る(理念が実現していける)、自分は経営者の仕事に専念できる、三方良しでhappy!を生み出せる永続発展企業を目指しています。

「国際社会における日本の地位向上に役立てる仕事をして、世界中に日本発のhappyを生み出せる企業をつくります」と夢を語りました。

第4分科会(憲章と条例)「ヨーロッパ視察から今こそ学ぶ政策運動の歴史」 ~「Think Small First」こそ政策運動の原点~ (株)地域科学研究所 代表取締役会長 木下光一氏(大分同友会元代表理事)

(株)地域科学研究所 代表取締役会長 木下光一氏

2008年に中同協の有志役員によるヨーロッパ視察に参加しました。ヨーロッパの小企業は技術レベルや社会的地位も高く、地域資源にこだわった製品を作っています。

日本では2010年に中小企業憲章が閣議決定されました。その前文には、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」と書かれています。

「私たちは、持続的に成長する企業となるために、人材を集め、育てる企業にならないといけません。持続的に成長する企業とは、経営理念があり、正しい戦略を持ち、人を大切にするオープンな社風がある企業のことです。そのためには、理念の実現に情熱を燃やす経営者と社員の強い信頼関係が大切です」と報告しました。

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