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「危機に負けない中小企業 No.8」(株)大和電業社 代表取締役 大西康生氏(大分支部会員)

■ 20年間経営指針に基づいた経営を実践
(株)大和電業社は、地元の企業に就職していた大西氏の父が独立を決心し、創業しました。創業当初は家族経営を行っていましたが、一年休みなく仕事をして社員も少しずつ増えていきました。大学卒業後は都市開発をしたいという思いがあり、東京の不動産会社への就職を考えていましたが、母からのお願いもあり、電気工事会社に就職。最初に電気工事業界に入ったことにより、ぼんやりと「自分は電気屋になるのだ」という自覚が芽生えたと言います。
その後、大西氏は1988年(株)大和電業社に入社。東京の会社と比べて、会社の組織や給与、休みの違いなどが目につき、「東京ではこういう商売をしている」と主張していました。当時のことを振り返り、大西氏は「今思えば傲慢になっていた」と反省しています。

■新しい仕事にチャレンジ
バブル崩壊後の1999年に社長に就任。市町村合併や人口減少も重なり売上が低迷しました。これまでの電気工事だけでなく、何か新しい事業を行いたいと考えていました。「建物をつくるだけでなく、電気工事と制御の分野と二本の柱でいきたい」そういった思いから、計装工事に挑戦することにしました。
計装工事とは、プラント建設の電気、計装に関する企画・基本設計の段階から参加して行う工事のことです。これまでの電気工事とはまた違った知識、技術が必要で、日本のメーカーに教えて欲しいと依頼しましたが、取り合ってもらえませんでした。そこで外資メーカーにお願いしたところ、教えてもらえることになりました。今では計装工事は売上の約35%を占めています。また、大分県内だけでは仕事は減っていくと感じ、東京に支店をつくりました。

■経営指針成文化セミナーに参加
大西氏は1993年に同友会に入会。2004年に経営指針成文化セミナーに参加しましたが、何事も計画を作ることが好きなこともあり、成文化セミナー参加以前から経営計画の必要性を感じ、社長就任後すぐに作成していました。ただ、成文化セミナーに参加することで、自分の考えは間違っていなかったと確信を持つことができました。
それ以来、約20年間経営指針の作成を続けています。「計画を立てないと、実績に対しての検証もできません。年に1回経営指針発表会を行っており、全社員で会社の方向性を確認しています。また、金融機関からも一定程度の評価も持ってもらえます。今では経営指針書なしの経営は怖くてできません」と経営指針の重要性を感じています。

■経営理念に込めた思い
会社が厳しい時期に会長から「会社の資産を分配して解散した方がいい」と言われたこともありました。ただ、大西氏は「自分は何のために経営しているか」ということを徹底的に考え、社員や工事をしてくれる人がいてこの会社が成り立っていることに気づきました。経営理念に「全従業員の物心両面の幸せを追求する」という一文がありますが、そういった思いが込められています。

■大西氏からのメッセージ
「業種によっては売上が上がらないところもあると思います。働き方を変えつつ、経費を最小限に抑えて耐え忍ぶことと思います。社員の雇用を守り、全社一丸となって経営指針を基に、地道に進めることが必要だと思います。ウチが一番やばいですが。」

■会社概要
所在地 大分市南春日町11-5
創 業 1958年
資本金 3,600万円
社員数 57名
事業内容 電気工事、エンジニアリング、計装工事、計装機器、電気製品の販売
http://www.d-yamato.jp/company

<経営理念>
全従業員の物心両面の幸せを追求する
仕事を通じて、どれだけ多くの人の役に立てるか

危機に負けない中小企業 No.8 pdf

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