11年ぶりに中津市で開催
11月13日(月)第29回経営フォーラムをヴィラルーチェ中津で開催しました。
経営フォーラムは、経営を取り巻く情勢をはじめ、様々な経営課題、経営環境の問題点に焦点をあて、基調講演、分科会を設定して学び合います。
今回は「飛躍~変化を乗り越えて永続する企業へ~」をテーマに11年ぶりに中津市で開催し、会内外から193名の方が参加しました。
【基調講演】 「積極果敢な経営で、未来に希望のもてる地域をつくる!」
狩生実行委員長、塚崎伸一代表理事挨拶の後、川中英章氏((株)EVENTOS代表取締役)が「積極果敢な経営で、未来に希望のもてる地域をつくる!」をテーマに基調講演を行いました。
川中氏は2008年に共同求人活動に参加し、8名の新卒を採用することができました。しかし、6名すぐに退職。新卒の受け皿づくりが出来ていなかったこと、誇りを持って仕事に取り組むことが大切であることに気づきました。
広島市の端に位置する吉山地域で耕作放棄地だった土地を借り、農地を復活させ、レストランを開業しました。その結果、その地域に若い人が移住するようになり、8軒の店が建つことで社員が仕事に誇りを持つことができ、離職率が大幅に減りました。
2028年までの10年ビジョンでは「地域になくてはならない会社に」をかかげ、同業他社の目標にされるファーストコールフードカンパニーになることなどを目指しています。
しかし、コロナ禍で本業のケータリング事業の売上が激減。自社の事業を「食を通した地域活性化業」と定義し、コロナで傷んだ地方の観光地再生事業として、島根県江津市有福温泉の再生に取り組んでいます。
「社員は未来が見えないから辞めるのです。採用活動は自社の夢を発信する場であり、夢のパートナーを募る活動です」と将来を見据えて経営することの大切さを訴えました。
【第1分科会(採用と共育)】 「社員と共に成長した10年のキセキ」 ~雇用の責任を自覚し、働く環境を整えて10年~
(株)アームは1996年に阿萬氏が22歳の時に創業しました。依頼があった仕事は全て受け入れることで仕事が増えていきました。人を雇用するのですが、「とにかく見て覚えろ」と馬車馬のように働かせていたので、入っては辞めを繰り返していました。
業者の方から「魔法の書」を学べる会があると同友会を紹介され、2010年に入会しました。「経営指針をつくる会」にも参加し、経営指針書を社員に発表しましたが、会社は一向に良くなりませんでした。共同求人活動にも参加し、新卒社員を雇用しましたが、社員教育の体制が整っていないこともあり2年で退職してしまいました。そこから社員に学びたいことを聞いて社内での研修を行うなど、「共に育つ」取り組みを行いました。
2020年3月20日に宮崎県内で初めて新型コロナウイルス感染が発表されました。その影響で半年先までの受注がキャンセルや無期限の延期となりました。しかし、「会社は社員の健康、雇用を守る」と宣言し、新卒採用も続けました。阿萬氏は中小企業の社員教育は経営者が社員を信用して、どれだけ真剣に一緒に取り組むかだと気づきました。「今後も人が育つ企業づくりに取り組んでいきたいです」と報告しました。
【第2分科会(障がい者雇用)】 「人を生かす経営の実践!」 ~誰もが働ける企業を目指して~
中村氏は地域のイベント協賛等を行っていましたが、「もっと地域に役立てることはないか」と考えていた時に障がいのある青年と出会い、雇用することとなりました。障がい者を雇用する前は、「手がかかりそう、何かあったら誰に相談したらいいのか、コミュニケーションが取れないのではないか」といった不安がありましたが、障がい者と向き合う中で、少し時間がかかるかもしれないけれど、仕事を覚えて40年間の戦力になってくれる。学校や行政と連携し何かあれば相談すればいい、ということに気づきました。
障がい者を雇用してからは、障がいについての知識が増え、他の社員と同じように普通に怒ったり誉めたりすればいいという事がわかりました。他の店舗からは「うちには障がい者がいないので、うつにも入れて下さい!」という店舗まで出てきました。
「障がい者雇用の障壁は私たちの心の中にあります。障がい者雇用をやるぞ!と決める経営者の覚悟が大切です。全ての人の可能性を信じ、共に成長できる会社でありたいと思っています」と報告しました。