活動報告
ACTIVITY-REPORT

大分支部
広報委員会
大津留畳店 代表者 大津留洋一氏(大分支部会員)

今回お伺いしたのは大分市滝尾の大津留畳店様です。作業場に入る直前からイ草のいい香りがし、大きな加工機械の上にのせた畳をテーブル代わりにお話をお聞きしてきました。

■畳職人になったきっかけ・簡単な自己紹介をお願いします。

畳職人だった父親が昭和53年に滝尾駅前の旧農協倉庫で畳店を開業したのがきっかけです。私は当時10歳でしたが、当然のように家業のお手伝いで畳づくりに携わっていました。もちろん子どもの体格で重い畳を運搬することはできませんでしたから、機械の上に載せるまでは父親にやってもらい、その後の縫い作業を私がやるという感じです。高校を卒業してからは地元の畳店で修業をさせてもらい、年季が明けて父親の元に帰り現在に至っていますから職歴は40年を超えてしまいましたね。

■現在の業況や取り組みについて教えてください。

皆さんが想像しているとおり、全国的にも畳の需要は年々減少しています。20年前に全国で約15,000店あった畳店は約5分の1になり、畳店で働く人については約10分の1です。例年は春の引っ越しシーズンやお盆前などに畳の張替えの需要もありましたが、住宅の洋風化により、和室が減少したことはもちろん、外国製の安価な畳の登場や新型コロナウイルス感染症による旅館やホテルの稼働低下など、原因をあげればきりがありません。

令和3年度のものづくり補助金で新しい機械を導入し、従来の機械では対応できなかった薄畳を内製化できるようになりました。現在は新しい商品開発や地域でのミニ畳製作教室、SNSでの情報発信、特別感のあるおまけを同封したポスティング等に取り組んでいます。

■障がい者雇用「人を生かす経営」についてお聞かせください。

現在、3つ年上の障がいをもった方と2人で仕事をしています。これまでも何名かを雇用してきましたが、特に特別なことをしているとは思っていません。というのも、修行先の畳店でも障がいをもった方と一緒に仕事をしていましたし、同友会内外の障がい者雇用に関する会議や研修会で多くの支援機関や先生との繋がりができたことで、雇用後3年以上もジョブコーチとして寄り添ってくれた方もいらっしゃいます。また、職人は育成に何年もかかるかと想像するかもしれませんが、その人ができることだけをやってもらうことで約半年もあれば1つの簡単な作業だけでも任せることができます。2月頃にも大分県立聾学校の3名の企業実習を行いましたが、今後も積極的に実習を受け入れていきます。

《会社概要》
■代 表  者 大津留 洋一
■所 在  地 〒870-0942 大分市羽田16組の3
■業務内容 畳工事一式(新畳・表替・裏返し・縁なし畳・カラー畳など) 
■電  話 097-568-3455
■U   R  L     https://www.facebook.com/tatami.oita

 

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