■まずは、会社のご紹介をお願いします。
当社は鉄工所として建物の骨組みを製造する事業を展開しており、主要なお客様はゼネコンさんや商社さんです。別大国道の道の駅、宗麟大橋近くの新施設などが最近手がけたプロジェクトになります。当社は船の修理と溶接から始まったのですが、初期には銭湯の運営もおこなっていました。経済的な理由で閉店に至りましたが、地域の祭り後に多くの人に利用してもらい地域に根差した事業でした。豊後高田市は育ててもらった町ですから、地域への恩返しと協力は忘れてはいけないとずっと思っています。
■大鍛治洋介常務が入社される経緯を教えてください。
大学で建築を学んだ後、建設会社、住宅メーカーに入社し、その後30歳を過ぎた頃に一級建築士の資格を取得することができたので、故郷へ戻ることを決意しました。これは要請を受けたものではなく、自分の意志によるものでした。入社直後は、仕事が少なく経済的に苦しい時期も経験しましたが、「簡単に諦めるのではなく、顧客の期待に応えるために、品質や精度に拘っていこう」と呼びかけて取り組んだ結果、次第に状況は好転していきました。
■コロナ禍などの影響はいかがでしたか?
コロナ禍は、多少影響は受けたかな?というレベルです。どちらかというと厳しいのは現状で、鋼材費だけでも25%も値上がりしている。これは鉄鋼業共通の課題だと認識しています。
■そのような情勢の中、どのような取り組みをされていますか?
業界の機械化と効率化の必要性に対応するため、鉄骨のCADシステムを導入しました。これにより、手計算で行っていた部品や寸法の計算を自動化し、以前は複数の人員が必要だった作業を一人でこなせるようになりました。しかし、細かいところまで理解せずに操作できてしまう等、CADの普及が逆に技術力の低下を引き起こしているという相反する面もあります。これを解決するために定期的な勉強会を通じて教育と指導を強化することが今後の課題となっています。
■最後に、業界や地域の課題についての考えをお聞かせください。
建築業界は伝統的に長時間労働が一般的ですが、これが業界外から見ると非常識に映ることがあります。大手ゼネコンなどは労働環境の改善に力を入れており、我々もその流れに追随する必要があります。新たな人材の確保には労働環境の改善が不可欠で、新しい工場ではロボット溶接機を導入する計画を進行中です。
地元豊後高田市は非常に活発で、同友会に積極的に参加しているメンバーからも強いパワーを感じます。負けないように私自身も積極的に参加し、地域社会に貢献していきたいと考えています。
《会社概要》
■所 在 地 豊後高田市御玉8-2
■設 立 1961年
■資 本 金 15,030千円
■社 員 数 常勤役員3人・非常勤役員2人・工場10人、事務所5人 計20人
■業務内容 (イ)建築一式工事及び鉄骨工事
(ロ)冷暖房、空調、給排水、衛生施設及び送配施設の設置工事
(ハ)上水道、工事用水等の取水、浄水、排水等の施設築造工事
■U R L https://www.nakanoshima-tekko.com/