活動報告
ACTIVITY-REPORT

日田支部
【会員訪問】日田九石販売(有)代表取締役 高倉公博氏(日田支部会員)

■入社のきっかけ

 地域密着フルサービスガソリンスタンド事業を営む日田九石販売(有)は1967年6月に8名の地元有志が出資し創業しました。高倉社長は24歳でアルバイトとして入社したそうです。

 元々建築士として建築事務所で働いていたため、建築や不動産業界に興味があり、その関係もあって2級建築士と宅地建物取引士の資格も当時取得しており、不動産業界に飛び込みたいと思い、当時は繋ぎ程度ですぐに辞めるつもりだったそうですが、先輩社員を見習い丁寧な接客を心掛けた事で、お客様に評価され、会社の売り上げに繋がる喜びを感じる事により、仕事にやりがいを感じ、どうしたらこの業界で勝ち組に入れるのか?を常に考えるようになり、仕事の面白さを覚え現在に至るとの事でした。

■入会のきっかけ

 お父様やお兄様の影響もあり同友会に入会したそうです。日田支部メンバーからの勧めもあり、2016年の経営指針成文化セミナーに参加。経営計画の必要性を実感し翌年も同セミナーを受講されました。この時作成された事業計画には自動車整備事業の内製化や不動産事業も含まれており、計画に沿う形で事業を展開されております。

■コロナ禍での課題

 それまでの車輌販売実績が評価され2019年12月には、スズキ(株)の副代理店に昇格し順調に売上も伸びていましたが、2020年2月末に新型コロナウイルス感染症が拡がり、4月にはご自身が日田市初の感染者となりました。当時は、想像を絶するような誹謗中傷に悩み、夜も眠れない日々が続き、約1年メンタルクリニックに通われたそうです。さらに4月の月次売上は前年比で75%もダウンし、雇用調整等で休業補償をして社員に寄り添っていたつもりでしたが、現在店長を務める社員1名を残し親族以外、皆辞めていったそうです。

 会社を何とか守らないといけないとの想いから、表面上は辛い感情を出さないようにしていましたが、身も心もボロボロで一人になると、勝手に涙が出てきて自らの命で償おうと、、、責任の取り方まで考えていたそうです。お父様やお兄様、同友会メンバーや先輩経営者等、身近な方の励ましもあり悲観的にならず、前向きに今までの経営の在り方を根本から見直したそうです。

社員が辞めた理由としてコロナ以外に、社員に寄り添っているつもりで実際には寄り添っていなかっのではないか?会社の未来を語れていなかったのではないか?労働時が長すぎるのではないか?休みが少ない又は連休が取りづらいのでは?人を生かす経営とは何か?真剣に考え課題を改善したことにより新たに6名の採用に成功したそうです。

■新規事業展開について

 ガソリンスタンド業界では人口減少や車離れにより、市場規模が年々減少し毎年500カ所以上の廃業が続いており、他人事では無いと常に感じ、新たな収益の柱が必要と考え同友会会員や同業種の方を中心に情報収集を積極的に行ったそうです。

 その結果、固定概念に囚われない思い切った事業展開を決断する考えに至り、集めた情報と自社の強みを活かして、自動車整備事業と不動産事業の内製化を行う事を決定しました。  

 事業に必要な建物や設備は、事業再構築補助金を活用されたそうです。新たな事業を行う事が出来たのは、コロナ禍を経験し、親身にアドバイスしてくださった経営者仲間や、共にコロナ禍を乗り越え諦めずに頑張った会長、専務や店長、新規に採用した人材のおかげと笑顔で語ってくださいました。

 現在、燃料油以外での収益は全体の75%にまで拡大しているそうです。

■今後について

 コロナ禍以前から経営の多角化、他地域への出店を考えておられたため、ご自身が会社にいなくても業務が円滑に進むように会計処理のアウトソーシングや若い方の採用に力を入れて、不動産事業と自動車整備工場を拡大し、他事業ともマッチングさせ複合的事業の展開も視野に入れ、共に働く社員さん達と未来が描ける会社創りを目指しているそうです。

 コロナ禍を乗り越え、前向きな思考に切り替えられた高倉社長。今後更なるご活躍を期待します。

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