活動報告
ACTIVITY-REPORT

県南支部
会員訪問(同)新栄丸 代表社員 宮本新一氏(県南支部会員)                                                     

「綺麗で、かっこよくて、稼げる漁業」を大入島から

■改めて宮本さんから会社の紹介をお願いします。

 28歳の時に独立して個人事業主として漁師を始めました。その後、海外取引の都合もあり法人化し、現在9期目になります。当初は漁師をしながら海外へ加工品を販売していましたが、ある時、赤潮の影響で貝類が捕れなくなり、一気に生活が困難になりました。そこで牡蠣の養殖に着目したのです。番匠川の栄養豊富な水では、牡蠣が汚れて利益が出ずに一度は諦めかけたのですが、赤潮発生時に牡蠣だけが生き残るその生命力を見て、成功を確信。本格的に牡蠣の養殖に専念することにしました。

■牡蠣は赤潮に強いのですね。

 はい。牡蠣はプランクトンを食べるため、赤潮を抑える効果があります。また、牡蠣の殻は二酸化炭素を吸着し、環境にも良いのです。牡蠣養殖は他の漁業と比べて餌が不要で、燃料の消費も少ないため、理にかなった養殖方法なんです。

■新栄丸さんが養殖に取り入れられているシングルシードやフリップファーム方式という日本初の技術について教えてください。

 シングルシードは一粒の種から育てる方法です。フリップファーム方式は籠を定期的にひっくり返して汚れを防ぎ、牡蠣の形を整える方法です。天日干しをすることで付着物を防ぎ、清潔な状態で育てられます。形も味も良くなる。まさにいいことづくめです。

■完全週休二日制を導入されているとお聞きしました。漁業でそれを実現するのは珍しいですね。

フリップファーム方式で効率化されたため、従業員は朝6時から昼までの勤務が基本です。また、協議会のメンバーと社員を共有し合うことで、さらに効率化を図っています。

■牡蠣のブランディングや地域の活性化についての考えもお聞かせください。

 大入島や佐伯地域の活性化を目指しています。フリップファーム方式を普及させ、環境に優しい養殖方法を広めることで、地域に住む若い人を増やしたいと考えています。県の研修制度を活用し、次世代の漁業者を育てることも目指しています。

■最後に、地域や企業の10年ビジョンについてお聞かせください。

 島の活性化プロジェクトを立ち上げ、漁業全体の普及を目指しています。将来的には、島に10件、20件の牡蠣養殖生産者を育てたいと考えています。県や漁協と連携し、若い人を島に定住させるための取り組みを進めていきたいですね。

《会社概要》
■所 在  地 佐伯市片神浦376-2
■電話番号 090-1970-0053
■設  立 2016年
■社 員  数 5名(うちパート1名)
■業務内容 牡蠣養殖、水産加工、漁業
■U  R  L    https://www.shinei-maru.com

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