「超戦」~今の常識を疑え 経営者自ら最前線で戦い 時代を超えていけ。~
10月23日(水)第30回経営フォーラムをレンブラントホテル大分で開催しました。
今までの当たり前が当たり前でなくなってきている今、まずは経営者自らが学び実践し、新しい取り組みに挑んでいかなければいけない。そんな思いを込めて「「超戦」~今の常識を疑え 経営者自ら最前線で戦い 時代を超えていけ。~」をテーマに開催し、県内外から178名が参加しました。
まず、岩尾雅史実行委員長より「今回のテーマは超戦です。自ら学び行動して結果を残していきましょう」と挨拶。続いて塚崎伸一代表理事が「経営環境が目まぐるしく変化していますが、我々は企業を維持、発展させる責任があります」と挨拶しました。
【基調講演】 「主体者よ変革者となれ。~あなたが変われば世界が変わる~」 (株)大幸企画 代表取締役・長崎同友会 時忠之氏
データにもとづいて、大分県の将来の人口推移や年間商品販売額、一人当たり年間消費額を説明。「まちづくりにはロジックとエモーションが必要で、失敗を恐れずに挑戦することで、地域を動かす力になります。同じ目標を持つ仲間とつながり、成長し続けより良い未来を残していきましょう」と報告しました。
【第1分科会(人を生かす経営)】 「社員と共に創り上げた「日本でいちばん大切にしたい会社~会社は公器、社会に役立つ企業をめざして~」 (株)琉球補聴器 代表取締役・沖縄同友会 森山賢氏
森山氏は父の会社に後継者として入社し社長に就任。「会社を変えてやる」と意気込んでいましたが、社員からは「社長が全ての面で見本になっていない」「社長の愛情と感謝を感じない」「社長の言葉に行動が伴わない」など社長への批判の声が相次ぎました。このことをきっかけに本当のリーダーになろうと決意します。
(株)琉球補聴器が大切にしている三つの柱は、経営理念の浸透、朝礼を活かす、みんなの夢を実現する、です。これらを続けていた結果、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を受賞することができました。
「ずっとお前が変われ、と相手にベクトルが向いていましたが、社員のおかげで自分自身に目を向けることができました。自分を変えることで会社が変わっていきました」と報告しました。
【第2分科会(事業ドメインの再構築・ブランディング)】 「今こそ業態変革!未来の不安を吹っ飛ばせ~諦めない企業の第2Rが始まる~」 (株)BeBlock 代表取締役・愛知同友会 松村祐輔氏
松村氏は印刷業から始めましたが、「販売促進支援業」として時代の変化に合わせて企業変革を進めてきました。「Mission・Vision・Value」の3つを経営理念として、関わる全ての皆様が幸せであり続けるための価値を提供し、様々な取り組みを行っています。
コロナ禍ではイベントが中止となり売上が激減しましたが、販促支援で培ったアクリル加工の技術を使い、アクリルパーテーションを販売しなんとか売上を確保することができました。また、WEBとリアルのハイブリッドを掲げ、自社運営のECサイトから注文を取り、難しい特殊な仕様の商品・ロット・納期などの要望には社員が直接対応しています。
今後はアニメなどの版権を購入して商品を販売するライセンス事業を強化していく予定で、常に新しいことに挑戦しています。
【第3分科会(社会保障)】 「中小企業家から見た社会保障制度の概要と課題」
「現在の社会保障制度の概要と課題」
吉田社会保険労務士事務所 代表者・大分同友会 吉田幹生氏
大分県の人口と労働力人口の減少、日本の平均年収や労働生産性についてデータをもとに説明。その上で、2035年最低賃金1500円まで引き上げ、雇用保険改正、雇用の流動化、社会保険適用拡大など、今後の見通しについて報告しました。こういった課題に対応するために、商品力(価格)の向上、生産性向上、高齢者でも働ける職場づくり、多様な働き方への対応の必要性を訴えました。
「なぜ社会保障は重要か」
(株)シンシアリー 代表取締役・大分同友会平川加奈江氏
(株)シンシアリーは就労支援事業所として、金属加工、縫製、農業などを行っています。地域では人口減少や社会保障費の増大、買物難民、耕作放棄地など課題が山積しています。(株)シンシアリーでは、仕事に人を合わせるのではなく、障がいのある方1人ひとりの特性を理解し、得意な仕事を任せており、その結果、地域課題の解決に繋がっています。1人ひとりに合わせた働き方ができており、まさに経営理念である「みんなが良い、みんなで良い」を体現しています。