■まず、会社の概要をお聞かせください。
会社は3社あり、大分県中津市で生コンクリートの製造販売と一般貨物運送事業を行う「福進株式会社」、生コン・砕石等の販売やミキサー車・ダンプのチャーター事業を展開する「北部商事株式会社」、福岡県築上郡上毛町で産業廃棄物の中間処理事業、リサイクル砕石の製造を行う「有限会社宮埜開発」となります。
■入社から代表取締役されるまでの経緯を教えてください。
福進に入社する前は、自動車メーカーの子会社で自動車部品の営業を担当していました。しかし、転勤の事を考えると中津から離れたくないと感じるようになり、34歳で福進に転職しました。入社後は様々な業務を経験し、約5年で一通りの仕事を習得。その後、北部商事を創業し7年前に福進の代表取締役に就任しました。
■最近、企業理念の作成に取り組まれているそうですね。
はい。これまで会社全体の理念がなかったために社員の判断がばらつき、自分がいないと回らない会社になっていました。そこからの脱却を目指して、今年は成文化セミナーに参加し企業理念の策定を進めています。最初は表現がわからずに試行錯誤しましたが、何度も作り直す中で少しずつ形が見えてきました。まだ完成はしていませんが、私の信念である「顧客ファースト」という考え方や、松下幸之助さんの「世のため、人のためになり、ひいては自分のためになるということをやったら、必ず成就します」という言葉の影響を大きく受けた理念になってきていると感じます。
■最近の経済状況の影響はいかがでしょうか
厳しいですね。生コンは原材料費の高騰がかなり影響しています。砕石や混和剤も値上がりし、セメントに至っては倍近くになっています。一方で需要は減少していて、今まで10万㎥を割る事がなかった出荷量が、昨年は中津市内で7万3739㎥となり、今年はさらに下回る可能性もあります。これに立ち向かうため、組合の中で協力して業界全体の生き残りを図っています。
■今後の展望をお聞かせください。
まずは、基盤を固める事が大事だと考えており、社員数が増えつつある現在は、福利厚生の充実や企業年金制度の導入検討など、社員の将来設計をサポートする取り組みを進めて組織作りに力をいれています。また、新製品開発にも注力しており、例えば現場で残った生コンを、オランダBETONBLOCK社製の型枠を使ってレゴブロックのように組み立てられるコンクリートブロックを製造しています。これは産業廃棄物処理の問題解決と新需要創出、両方の課題を解決できる可能性を秘めています。
■中津市の将来についてどのようにお考えですか
人口が減らない地域にすることが重要で、そのためには自動車産業以外にもう一本、産業の柱が必要だと思っています。中津市全体の発展が、地域企業の成長にもつながると信じていますので、私自身も奉仕やボランティアなどを通じて、魅力的な街づくりに貢献したいと思います。
《会社概要》
■所 在 地 大分県中津市大字上如水1333番地の1
■創 業 1982年1月8日(創立43年)
■業務内容 生コンクリート製造業・一般貨物自動車運送事業・建設資材販売業産業廃棄物中間処理業・産業廃棄物収・集運搬業・レンタカー事業
■社 員 数 役員3人 社員数24人(社員19人 パート5人)