活動報告
ACTIVITY-REPORT

豊後高田支部
広報委員会
会員訪問(株)片桐牧場 代表取締役 片桐和彦氏(豊後高田支部会員)

■まずは御社の事業概要についてお聞かせください。

当社は和牛の肥育・生産を行っている会社でして、現在約1,000頭規模で飼育しており、一部を自社販売、残りを競りでの販売を行っています。弊社の特徴をあげるなら、一般的な輸入穀物依存から脱却し、地域で生産された飼料を積極的に活用している点ですね。牛の糞尿を堆肥として地域の農地に還元し、その農地で生産された穀物を再び飼料として活用するという循環型の仕組みを作り上げてきました。これによって、為替変動の影響を抑えながら、安定した経営基盤を築けています。

■その独自の経営方針に至った背景をお聞かせください。

 実は私、40歳までサラリーマンでした。妻の実家の畜産業を継承した際は120頭ほどの規模でしたが、その直後に牛肉価格の大暴落に直面し、経営の立て直しを迫られました。その過程で、三和酒類さんの焼酎粕など、食品副産物の利用を始めたのです。今では週に8トンほどの焼酎粕を活用していて、これによって飼料コストの削減と地域企業との連携を実現できています。

■他にも匠牧場ならでは特徴的な取り組みはありますか?

 従業員の約6割が女性で、これは畜産業界では珍しい比率です。徹底した機械化により重労働を軽減し、IoTを活用した牛の健康管理システムで24時間の監視体制を実現しています。また、子育て中の従業員への柔軟な勤務体制を整備したり、独自の福利厚生として、従業員の方々に給与の5%程度を目安に美容にかける費用の補助も行っています。

■近年の経営環境の変化にはどのように対応されていますか。

 販売面では台湾やベトナム、タイへの輸出も手がけていますすが、現地での和牛の価格が高止まりしているという課題があります。そこで新たな取り組みとして、ベトナムでの現地生産を始めることにしました。日本式の生産管理と品質管理を導入することで、現地市場に適した和牛生産を目指していきたいと考えています。

■今後の展望についてお伺いできますでしょうか。

 国内では、過度な霜降りではなく食べやすい和牛肉の生産を続けていきたいですね。地域貢献の一環としては、別府市での飲食店展開も考えています。特に観光客向けの朝食需要に着目していまして、インバウンド需要の回復に合わせて新たなサービスを提供していければと思っています。それから堆肥の製造販売も強化して、農家の肥料コスト削減にも貢献していきたいですね。

■最後に、地域との関わりについての展望をお聞かせください。

 世界の人口増加が見込まれる中、地域資源を活用した循環型経営はより重要になってきます。特に食品副産物の活用は、環境負荷の低減だけでなく、地域企業との関係構築にもつながっていますからね。当社としては、引き続き人間の食用となる穀物の使用を抑え、副産物を中心とした飼料開発を進めていきます。これからも地域に根差した経営を続けながら、持続可能な畜産業のモデルケースとなれるよう、新たなブランド創造に取り組んでいきたいと思っています。

《会社概要》

■所在地 杵築市山香町大字野原4662-198
■設立 2016年11月
■社員数 7名
■業務内容 肥育農家

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