活動報告
ACTIVITY-REPORT

第31回経営フォーラムを開催しました

「すべては笑顔のために~未来につなぐ挑戦~」

11月12日(水)別府国際コンベンションセンターで第31回経営フォーラムを開催しました。

少子高齢化や人口減少、人手不足といった大きな社会課題に直面しています。
これらの課題は、地域社会や企業活動にとって避けて通れないテーマです。
そのような中でも「人が笑顔で暮らし、働ける社会づくり」を目指して、「すべては笑顔のために~未来につなぐ挑戦~」
をテーマに11年ぶりに別府市で経営フォーラムを開催しました。

【基調講演】 「バックヤードこそ真実」 ~幸せな組織を創るためのあり方~ T-BOX 代表者 佐野 智之氏 元・(株)当間高原リゾート ベルナティオ 上席執行役員 統括総支配人

T-BOX 代表者 佐野 智之氏

第31回経営フォーラムの基調講演では、佐野智之氏が「組織に人が定着しない理由」について、根本的な視点からお話しされました。佐野氏によりますと、多くの職場で離職が続く背景には、お客様への無関心、数字だけに目を向ける姿勢、そして組織内のコミュニケーション不足があるとのことです。

 成果を追うあまり、人を思いやる心が後回しになってしまい、そのことが働く方々の心を離れさせてしまうのだと語られました。また、佐野氏は「やり方よりも大切なのは“あり方”である」と強調されました。方法やスキルは後から身につけられますが、根底にある人としての在り方が整っていなければ、組織は健やかに成長していかないといいます。

 そもそも人は幸せになるために生まれてきており、その幸せは人との温かなつながりの中にこそ育まれるという視点が印象的でした。さらに佐野氏は、ホスピタリティを「相手のことを相手以上に想うこと」と定義されました。これは業種を問わず、あらゆる組織に必要な姿勢であり、相手の気持ちに寄り添うからこそ信頼が生まれると述べられました。

 講演の中で特に心に残ったのは、「人を働かせようとするのではなく、自分が幸せに働ける場所をつくること」、そして「他人を喜ばせるために生きるのではなく、誰よりも自分を大切にすること」という言葉です。自分が満たされてこそ、自然と周囲にも良い影響を与えられるという考え方は、組織づくりのみならず生き方そのものに通じる大切な示唆であると感じました。佐野氏のお話から、組織の未来をつくるのは、一人ひとりが心豊かに働けるための“あり方”であることを改めて考えさせられました。

【第1分科会(障がい者雇用)】「障がい者雇用を通じて自社の風土をつくる」  ~共に歩み成長する企業を目指して~ (株)浅井製作所 代表取締役 浅井 順一 氏(愛知同友会 障害者自立応援委員会 委員長)

(株)浅井製作所 代表取締役 浅井 順一 氏

(株)浅井製作所は社員82名中5名の障がい者を社員として雇用し定着率は100%ですが、初めての雇用はうまくいかなかったそうです。

 2度目の雇用は、ある社員からの提案で、他の工場との間の通い箱の整理という明確な仕事を用意したうえで臨んだといいます。そのため、ご本人も安心して仕事ができ、段々手際が良くなり他の仕事にも向き合えるようになったと聞きました。

 また、事務員さんが喉頭がんを患ったことから声を失い、事務職員全員の協力のもと、電話を取らないで済むように仕事を整理したとのことで、「意図せず障がい者雇用が始まるケースもある」と学びました。

 人は、力を発揮できると感謝され、居場所ができます。そのような社風に変えるため、就業規則や教育制度を見直し、全社一丸体制を確立したそうです。また、最後には愛知同友会で使われる「見えない生産性」ということばの説明を受けました。明確な定義はないものの、社員が自発的に行動する社風を作るというニュアンスだということです。障がい者雇用は、相手を思いやる心が育つ、仕事をやり取りする中で丁寧さが生まれます。

 障がい者の雇用、もしくは障がい者関連施設運営をしている参加者が多い分科会でしたので、浅井氏の話にすべて頷きが伴っていました。

【第2分科会(人が輝く企業づくり)】「すべては社員の笑顔のために」  〜主体性と成長を育む理念経営~ (有)テヅカ精機 代表取締役 手塚 良太 氏(長野同友会 青年部連絡会 代表)

(有)テヅカ精機 代表取締役 手塚 良太 氏

第2分科会では、県外からも含め70名もの参加があり、「地域ブランディング」と「主体性ある組織づくり」が多くの経営者にとって切実な課題であることが改めて証明されたように思います。

 手塚社長は「すべては社員の笑顔のために〜主体性と成長を育む理念経営〜」をテーマにご報告されました。バンドマンから急遽経営者に転身、苦悩の日々を経験されましたが、同友会での学びを通じて社員と共に「ものづくりからまちづくりへ」という経営理念を策定し、14名から147名へのグループ成長を実現されました。報告では同友会理念を軸とした実践が語られると同時に、「学びばかりで実践しない」という陥りやすい罠についても、実体験を通じてご忠告いただきました。

 地域とは単なる経営環境ではなく、私たちの記憶と共に生きる存在です。地域の衰退は、私たち自身の生きてきた証を失うことに他なりません。だからこそ、地域を守り発展させる使命は、地域に根ざす中小企業にあります。手塚社長の実践は、その可能性を見事に示したように思います。

 広報委員会は昨年に続き、分科会運営に関わらせていただきました。メンバーが自発的に動き、単なる広報物の制作組織から、会員に真に価値ある情報を届ける委員会へと更に進化を遂げたことも大きな成果でした。

【第3分科会(経営指針の実践)】 「人が活きる企業作り」  ~社員の笑顔のために~ (株)カウテレビジョン 代表取締役社長 高橋 康徳 氏(福岡同友会 福友和支部 副支部長)

(株)カウテレビジョン 代表取締役社長 高橋 康徳 氏

報告者の高橋氏の前職は放送局の社員でしたが、2001年ニューヨークの同時多発テロの取材を通じて人の命の儚さを痛感し、2004年、明るいコンテンツを制作すべく自ら㈱カウテレビジョンを立ち上げました。

 当初はワンマン経営のせいで3人しかいない社員のうち2人が同時に退社したり、親御さんの心配により個性的な女子社員が退職したり、社員との関係で悩む日々が続きました。しかしその後、ワンマン社長から脱却し現在の良い会社、強い会社なれたのは以下の4段階の心境の変化があったからです。

 フェーズ1「価値を伝える、いい番組を作りたい」、フェーズ2「人としてついていけない、仲間がいなければいい番組もできない」、フェーズ3「社員と価値観を握り合う 社員の幸せ→お客様の満足→2019年企業理念刷新」、フェーズ4「いい人生、いい社会」の4段階の成長がありました。高橋氏の報告から社員が輝く環境づくりを深く学べましたが、それを短いキーワードにすると「社員が成長する未来を信じる」「主役感」「寛容の精神」などになります。

 また、先ほどの一度退職された女性社員の方が、実はその後再び会社に復帰し、この分科会に参加されていました。ここで当時のご自分の心境や、辞めて復帰した後に社長、会社とともに成長された姿を、質問に答える形で語っていただけたのも、この分科会の感動や学びをさらに高める結果となりました。

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